まだ戦国時代の殺伐とした雰囲気が抜けきれておらず道徳や倫理などあって無いような時代に、なんと徳川綱吉は世界初の動物愛護法を作り、人や動物の福祉を整え、現代の日本人の美徳・道徳心のもとをつくった名君だったと近年再評価されている。

当時の江戸は捨て子や捨て老人、辻斬りが非常に多く、その劣悪な治安を正すために出されたのが「生類憐みの令」であった。
この法令では捨て子の保護を第一に謳っており、捨て子だけではなく他の生き物も大切しなさいと至極真っ当なことが書かれており、その結果、日本人は命を慈しみ、憐れむ感情を持つに至った。

綱吉の政治を境に江戸から辻斬りは急激に減り、「みだりに命を奪うことは大罪である」という意識が武士から庶民にまで浸透するきっかけになっていった。 
「生類憐れみの法」とは犬だけではなく無益な殺生を禁じ捨て子や老人に優しい法律だったのだ。