3人の韓国人から似たような話を聞いた。子息や親戚が日本の大学に進学するとか、日本で就職するとかの話だ。韓国紙の経理担当の男性は、東京の有名な私立大学に留学中のめいが来春、日本のコンサルタント企業に入社すると言っていた。

 また、東京に3年間赴任していた男性は最近、高校に通う娘らを日本に残し韓国に帰国。本人の希望もあり、娘を日本の大学に進学させ、いずれ日本企業に就職させたいという。
ソウルの日本大使館によると昨年、韓国人に発給された就業査証(ビザ)は1万1千件を超え、6、7年前よりも3、4倍に増加。
留学ビザも6500件超で過去最高水準という。今年はさらに増えそうだ。ノービザによる訪日韓国人観光客の数が史上最高を更新し続ける昨今、筆者が立て続けに聞いた話は偶然ではないようだ。

 背景には、空前の日本ブームだけではなく、韓国での就職難、若年世代が条件のいい職にありつけないという現実がある。話をしてくれた3人もそれを認めていた。