この部分か。

良かれと思ってやっているのに、向こうの医師のプライドもあって、うまくいかなかったことがあります。
あるベトナム人医師が手術に失敗した6歳の少年の患者さんに、もう治らないから帰れと言って帰してしまったんですね。
その1ヶ月後にやっぱりなんとかならないかと、泣きながらその父親と少年が病院に来たのですが、
わたしは手術をさせてもらえなかったんです。ベトナム人医師のメンツがあるから。
何度も頭を下げてお願いをしてやっと手術をさせてもらえることになりましたが、
症状は悪化していました。特殊な物質を使った方法ならなんとか治せるかもしれないと思い手術をしましたが、
それがなかなか受け入れてもらえず、
当初は「服部はベトナム人を使って人体実験をしている」と言われたりもしました。
でも院長は、「ドクター服部はいつも全力でベトナム人のためにやってくれている」とかばってくれました。
少年が治ってからバッシングはなくなりましたが、それまではとても辛かったし悲しかったですね。