>>907

民族意識は、国民的な災厄の日々には素晴らしく屈強な力となる。
そのような時の民衆の民族意識が素晴らしいのは、それが人間的なものだからであって、
民族的なものだからではない。それは民族意識という形で表現された人間の気高さ、
自由に対する人間の誠実さ、善に対する人間の信頼なのである。

しかし災厄に見舞われた時代に目覚めた民族意識は、さまざまな形をとって発展しうる。
国際主義者やブルジョア民族主義者から組織の職員を守っている人事部長と、
スターリングラードを死守している赤軍兵士とでは、民族意識が違った形をとって表れるのは言うまでもない。