日本のアニメや食を海外に売り込む官民ファンド「クールジャパン機構」(東京)の
男性幹部からセクハラを受けたとして、元派遣社員の30代女性が計2千万円の
損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は3日、元幹部2人の行為をセクハラと
認め、2人に計10万円の支払いを命じた。
 阿部雅彦裁判長は、歓送迎会からの帰宅中、駅のホームで女性の肩に手を回そうと
複数回触れた元執行役員(58)と、女性従業員を集めた懇親会を開き、自身や
監査役との映画鑑賞やワインディナーなどと書いたくじ引きをさせた元取締役(62)について、立場を利用しており、「人格権を侵害する違法行為」と指摘した。
 判決によると、女性は平成28年、機構側に被害を訴えた後に労組を結成し、
29年11月に派遣更新を拒否された。女性は雇い止めは違法だとも訴えたが、
判決は「不当労働行為には当たらない」と退けた。
 女性は判決後に記者会見し「残念だ。日本の魅力を世界に発信するというファンドで
あり、ちゃんと対応をしてもらいたかった」と話し、控訴する意向を示した。