「食物連鎖」は意図的に作りだされた生態形であり、自然なものではない

生物的有機体において最も大きな技術的難題は、自己繁殖あるいは有性生殖の発明であった。
それは他の生物から破壊されたり食われてしまった生物は、常に補充され製造しなければならない解決策として発明された。
だが惑星の政府は、できればそうした補充交換の動物をいつまでも買い続けたくはなかった。

その発想は何兆年も前に、バイオテクノロジー産業の間でさまざまな既得権益を巡り、論争による争いがあったが、
それを解決するために開催された会議の結果として考案された。
この悪名高い「ユーミ・クルム・委員会」は、生物の生産をコーディネートする責任を負っていた。
だが委員会の特定のメンバーが戦略的に買収されたかあるいは謀殺された結果、我々が今、
「食物連鎖」(弱肉強食)と呼んでいる生物学的な現象をもたらした協定が起草されることになった。

ある生物が、自らのエネルギー源として他の生命体の肉体を食わなければならないという発想は、
生物工学ビジネスの中でも最も大きい会社の一つが解決策として提案したのだった。
彼らは虫と顕花植物を創造することを専門としていた。この2つの間の繋がりは明白である。

ほとんど全ての顕花植物は、繁殖するために虫との共生関係を必要としている。なぜか? 
それは虫と顕花植物の両方がその会社によって創造されたからである! 
しかも残念なことに、この同じ会社には寄生虫とバクテリアを創造する部門もあった。

その会社の名前を簡単に英語に訳すると「バグ・アンド・ブロッサム(虫と花)」である。
彼らは自分たちが創造していた寄生性の生物の唯一の有効な用途が、
有機物質の分解であるという事実を肯定し、正当化したかったのだ。

当時、そのような生命体のマーケットは非常に制限されていた。
自分たちのビジネスを拡大させるために、彼らは大きなPR会社と多大な影響力を持つ政治支援団体を雇い、
生命体は他の生命体を餌にするべきであるという理念を美化させた。