「パキスタン 酸攻撃の被害女性たち」 

この作品には、硫酸によって溶けただれた顔をした女性たちが多く出演する
人生に絶望し、悲しそうな彼女たちを見ると、気の毒で仕方がない
最初は、気分が悪くなるようなモザイクなしの残酷な映像が続き、相当しんどい

そこへボランティアの医師が現れ、彼の形成術により、だんだんと元の顔を取り戻していく
「死にたい」と語っていた女性は、やがて笑顔を取り戻し、最後に街を堂々と歩いていく
見始めの頃の不快さは消え、私は彼女を応援したくなるような前向きな気分にさせられた

妻や娘の顔に硫酸を浴びせるという行為が、どういう行動原則から発生するのか
宗教的なものなのか、歴史的なものなのか理解も想像も出来ない
加害者たちは残忍な「人でなし」ではあるが、何が彼らをこうした犯罪行為に駆り立てるのか
もっと掘り下げてもよかったのではないかと思う