NHK遮断装置の取り付け通用せず 船橋の男に受信料支払い命令
2016年07月21日 12:04

 NHKの放送だけ映らないようにする装置を取り付けたとの理由で、受信契約の解約届を出した船橋市の男性(48)に対し、NHKが受信料の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は20日、設置後も元に戻すことは可能として1カ月分の支払いを命じた。

 装置は約3年前、「NHKと契約しない自由の保障」を求める筑波大准教授の研究室が開発。「カットフィルター」の名称で、インターネット通販大手アマゾンを通じて販売されている。この装置を巡る判決は初めて。

 判決によると、男性はこの准教授に取り付けを依頼。壁の中にカットフィルターを埋め込んでアンテナ線につなぎ、取り外せないようにしたとして、今年3月に解約届を提出した。

 男性は訴訟で「受信機をなくしたのと同じ状態だ」と主張したが、谷口園恵裁判長は「受信する機能のあるテレビが自宅に設置されている事実に変わりはない。復元工事を依頼すれば視聴できる」として退けた。

 NHK広報局は「主張が認められたと受け止めている」とコメント。男性は「控訴し高裁の判断を仰ぎたい。完全に取り外せないよう溶接した上で、新たな訴訟も起こしたい」と話した。
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/338606