ニュースほっと関西 川崎理加
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女将さんに
「お清や、金杓子をご年玉にいただいたから、今日からこれを使いなさい」
なんて言われてね。
そこでお清は、
「定吉どん、東京では金杓子のことをご年玉と言うのかい?」
なんて、大きな勘違いしてたずねたんだってさ。
実に可愛い間違いだよね。
こういう無知というのは、どうしてこうも
あたたかい気持ちにさせてくれるんだろうね。 でね、この話にはまだ続きがあるんだよ。
お清は旦那さんから
「今日は元日だから掃除をしちゃいけないよ」ってたしなめられたんだ。
するとね、お清は
「まあ、お正月は何につけてもお得ですわね」とつぶやいたそうなんだよ。
女中さんの心持ちが実に良く出た微笑ましい話じゃないの。
こういう無知だったら世界が平和になるよね。
決して高学歴者が人を幸せにし、人をほほえましてくれるわけじゃない
というのがよく分かるお話だね。 喫煙と言えば
歌舞伎の「桜門五三桐」で石川五右衛門は
大きな銀煙管を片手に持っているよね。
考えてみるとさ、
歌舞伎では大物キャラには煙草を持たすんだよね。
あれは見事な小道具だよ全く。 石川五右衛門の他に
盗賊の有名どころって何人位いるだろうね。
パッと思いつくだけでも、
藤原保輔、熊坂長範、鼠小僧次郎吉、弁天小僧菊之助、
稲葉小僧新助なんてのもいるね。 ところでさ、鼠小僧次郎吉と聞くと随分と
すばしっこそうな名前だよね。
イメージだと20代位の若者って感じがするけど
実際、捕まった時は52歳だよ。
200年以上昔の52歳って言うと、もうお爺ちゃんだよ。 俗説では、盗んだ金を貧民に分け与えたなんて言われているでしょ。
義賊だってね。
これも後世の研究で、どうも嘘臭いって話になっているんだけど、
でもね、次郎吉が死罪になる時に、
彼に助けてもらった人々が
大勢で命乞いを願い出たっていう事実も存在するんだよ。
まあ、なんにしても、盗みを働いておいて義があるわけがないんで、
正確には、義賊ではなく、
変わっているという意味あいで、奇賊と呼ぶべきだよね。 両国の回向院には、鼠小僧の墓があるんだけど
今でも大人気。
未だに供花の絶え間が無い。 で、その墓はっていうと
すっかり削れちゃって小さくなっちゃってるんだよ。
鼠小僧の墓の一部を削ってお守りに持っていると
無尽が当たるなんて迷信が昔からあるもんで
ギャンブル好きが墓を削ってしまうんだ。
鼠小僧だからひいてとるから
無尽が良かろうって、昔の人は上手く考えたもんだね。 喘息と盗人、スリというのも親和性が低そうだよね。
ところがね、スリの世界に喘息持ちは意外に多かったんだそうだよ。
正確に言うと、喘息に限った話じゃないんだ。
今で言うところの社会的弱者がスリや空き巣、盗人には多かったんだよ。
まあ、貧しい環境下ではそうなるよね。
今でも新興国なんか行くと、幼児のスリなんて五万といるでしょ。 片端者や高齢者や幼児や喘息や肺病病みなど病気を抱えた人たち。
こういう人たちには、みんな油断しちゃうでしょ。
おまけに同情まで寄せてしまい気が緩んじゃう。
その心の隙をついてスリや置き引きをさせるんだよ。 昔ね、上野近くのガード下がスリの集会所になっていて
そこでスリの養成所みたいなのが存在したんだ。
そこで指導していたのが、陸軍中野学校出身のエリートで
肺を患って除隊した人だったんだよ。 だからその頃のスリのテクニックは神業レベルだったらしいね。
「蓼食う虫も好きずき」って何気にみんな遣っているけどさ、
じゃあ「蓼食う虫」ってどんな虫?って訊くと答えられないよね。 そもそも、蓼という植物はね、とても苦くて、おまけに臭くて、
誰も食べられた代物じゃないんだ。
ところがそれを好んで食べる虫がいることから
「ああ、なるほど、生き物にはそれぞれ好きずきってもんがあるんだなあ」
ってことになり、ことわざになっていったんだよ。 死んでると言えば
やはり季節柄、怖いもの見たさもあってか
因縁話や怪談なんて乙だよね。
こういうものってさ、
いつの時代になっても人を惹きつけるよね。
「幽霊なんていやしないよ。死んだら灰になるだけだよ」
なんて言葉で済ましちゃうと
身も蓋もないし、なんだかつまらない。
やはり幽霊やお化けってものにはロマンがあるんだよ。
肉体は滅んでも、魂というものはちゃんと残っていて、
死にはしないんだみたいなね。
こういう人間の強い憧れが怪談にもつながっているわけだから
いくら科学の時代になっても、すたれやしないんだろうね。 ところでさ、お化けより怖いって言うと、リアルに犯罪だね。
ちなみに、1年で一番犯罪が多いのは春先なんだとか。
泥棒も春が多いって話だよ。 まず泥棒で一番に思い出されるのは
石川五右衛門だろうね。
京都南禅寺の山門でお花見をして
「絶景かな」ってうなったって話があるでしょ。
でも、あれってなんだか変なんだよ。
第一、身なりからしておかしいでしょ。
花見の時分に、黒ビロードのどてらを着てんだからさ
インフルエンザかなんかにかかってたんじゃないの?
って疑いたくなるくらい季節外れの恰好だよ。 また、五右衛門の台詞もおかしいんだよ。
「春の眺めは値千金とは小せえ小せえ。
この五右衛門には値万両、万々両!」ってさ。
盗人だけに大きな銭勘定しているのはいいけどさ、
万両の値打ちがあると言っておきながら
実際には、山門に上がっておいてびた一文払ってないんだよ。 そう言えば昨日書いた石川五右衛門も
秀吉のプロパガンダで天下の大泥棒に仕立てられちゃったんだよ。
嫌われ者の大悪党をつくりあげようとしたら
ヒーローみたいに広まってしまったのは
さすがの秀吉も計算ミスだったろうがね。 実際、石川五右衛門て泥棒界のレジェンドということになっているけど
じゃあ、何を盗んで大泥棒って言われたの?っていうと
誰も知らないでしょ。
なんだかイメージだけで大泥棒なんてもてはやされちゃってるわけよ。 あの厳重な警備が施されている大阪城に忍び込んだくらいなんだから
さぞかし肝っ玉の据わった大物なんだろうという想像だけで
いつの間にかレジェンドになっちゃった。 事実、石川五右衛門の素性を探ると
天下の大泥棒でもなんでもなくって
元々は海賊なんだよ。
でもこういう真実は広まらない。 「楽しそうだからイライラ」ってフレーズで思い出したんだけどね
石川五右衛門にも楽しいこぼれ話ではあるんだけど
なんだかイライラしてしまうっていうエピソードが残されているんだよ。 もうね、石川五右衛門に関しては嘘ばかりだっていうのは
さっきも話した通りでね、
もうこれだけでもイライラするんだよね。 たとえば、五右衛門は、油が煮えたぎった釜の中に入れられて処刑されたでしょ。
いわゆる、「釜茹での刑」って呼ばれるお仕置き法だね。
でも、油は「茹でる」なんて絶対言わないよね。
油だったら「揚げる」でしょ。
本当なら、釜茹でじゃなくて釜揚げじゃなくっちゃおかしい。
実にイライラするね。 でも、これもね、
なんでこんなおかしな日本語がまかり通ってしまったのかって理由は
もうちゃんと判明しているんだよ。 京都のうどん屋さんのクレームが発端だったんだってさ。
「処刑方法に釜揚げの刑なんてつけられちゃうと
釜揚げうどんが売れなくなっちゃうからやめてくれ」って嘆かれて
釜茹での刑って名前を採用したんだよ。 トルコ風呂がトルコの国から苦情を受けて
ソープランドに名前を変更したような感じなんだろうけど
日本語としてあり得ない表現だけはやめてもらいたいよね。 今日も盗賊について語ろうと思ってたんだけどね
「低学歴」というフレーズで思い出したことがあったもんで
今日はそれを書くことにするよ。 無知の知とはよく言ったもので
この世で最も救い難く、人をとことん不快にさせるものは
無知の無知だね。 無知の知とはよく言ったもので
この世で最も救い難く、人をとことん不快にさせるものは
無知の無知だね。 それとは反対にね、ピュアな無知というのは
なんだか周りをほっこりとさせてくれる癒やし効果があるよね。 たとえば、こんな面白い話があるんだよ。
昔、お清という女中さんが
お年玉代わりに金杓子をもらったんだってさ。 女将さんに
「お清や、金杓子をご年玉にいただいたから、今日からこれを使いなさい」
なんて言われてね。
そこでお清は、
「定吉どん、東京では金杓子のことをご年玉と言うのかい?」
なんて、大きな勘違いしてたずねたんだってさ。
実に可愛い間違いだよね。
こういう無知というのは、どうしてこうも
あたたかい気持ちにさせてくれるんだろうね。 でね、この話にはまだ続きがあるんだよ。
お清は旦那さんから
「今日は元日だから掃除をしちゃいけないよ」ってたしなめられたんだ。
するとね、お清は
「まあ、お正月は何につけてもお得ですわね」とつぶやいたそうなんだよ。
女中さんの心持ちが実に良く出た微笑ましい話じゃないの。
こういう無知だったら世界が平和になるよね。
決して高学歴者が人を幸せにし、人をほほえましてくれるわけじゃない
というのがよく分かるお話だね。 喫煙と言えば
歌舞伎の「桜門五三桐」で石川五右衛門は
大きな銀煙管を片手に持っているよね。
考えてみるとさ、
歌舞伎では大物キャラには煙草を持たすんだよね。
あれは見事な小道具だよ全く。 石川五右衛門の他に
盗賊の有名どころって何人位いるだろうね。
パッと思いつくだけでも、
藤原保輔、熊坂長範、鼠小僧次郎吉、弁天小僧菊之助、
稲葉小僧新助なんてのもいるね。 ところでさ、鼠小僧次郎吉と聞くと随分と
すばしっこそうな名前だよね。
イメージだと20代位の若者って感じがするけど
実際、捕まった時は52歳だよ。
200年以上昔の52歳って言うと、もうお爺ちゃんだよ。 俗説では、盗んだ金を貧民に分け与えたなんて言われているでしょ。
義賊だってね。
これも後世の研究で、どうも嘘臭いって話になっているんだけど、
でもね、次郎吉が死罪になる時に、
彼に助けてもらった人々が
大勢で命乞いを願い出たっていう事実も存在するんだよ。
まあ、なんにしても、盗みを働いておいて義があるわけがないんで、
正確には、義賊ではなく、
変わっているという意味あいで、奇賊と呼ぶべきだよね。 両国の回向院には、鼠小僧の墓があるんだけど
今でも大人気。
未だに供花の絶え間が無い。 で、その墓はっていうと
すっかり削れちゃって小さくなっちゃってるんだよ。
鼠小僧の墓の一部を削ってお守りに持っていると
無尽が当たるなんて迷信が昔からあるもんで
ギャンブル好きが墓を削ってしまうんだ。
鼠小僧だからひいてとるから
無尽が良かろうって、昔の人は上手く考えたもんだね。 喘息と盗人、スリというのも親和性が低そうだよね。
ところがね、スリの世界に喘息持ちは意外に多かったんだそうだよ。
正確に言うと、喘息に限った話じゃないんだ。
今で言うところの社会的弱者がスリや空き巣、盗人には多かったんだよ。
まあ、貧しい環境下ではそうなるよね。
今でも新興国なんか行くと、幼児のスリなんて五万といるでしょ。 片端者や高齢者や幼児や喘息や肺病病みなど病気を抱えた人たち。
こういう人たちには、みんな油断しちゃうでしょ。
おまけに同情まで寄せてしまい気が緩んじゃう。
その心の隙をついてスリや置き引きをさせるんだよ。 昔ね、上野近くのガード下がスリの集会所になっていて
そこでスリの養成所みたいなのが存在したんだ。
そこで指導していたのが、陸軍中野学校出身のエリートで
肺を患って除隊した人だったんだよ。 だからその頃のスリのテクニックは神業レベルだったらしいね。
「蓼食う虫も好きずき」って何気にみんな遣っているけどさ、
じゃあ「蓼食う虫」ってどんな虫?って訊くと答えられないよね。 そもそも、蓼という植物はね、とても苦くて、おまけに臭くて、
誰も食べられた代物じゃないんだ。
ところがそれを好んで食べる虫がいることから
「ああ、なるほど、生き物にはそれぞれ好きずきってもんがあるんだなあ」
ってことになり、ことわざになっていったんだよ。 このスレッドは1000を超えました。
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