罰金刑に対する執行猶予の制度はあります。50万円以下の罰金に処する場合です(刑法25条1項)。 裁判所は、求刑に拘束されません。検察官の求刑が「懲役1年および罰金200万円」でも、裁判所は、執行猶予付き懲役刑、罰金なしとの判決を言い渡すことは可能です。
しかし、刑務所に入れずに、社会において被告人を更生させることが執行猶予の目的です。罰金を科しても(刑務所に入りませんから)社会における更生は可能です。主にこの理由で、執行猶予付き罰金刑は希です。
罰金刑に執行猶予を付けた例は、被告人の情状が極めてよい、極めて希な場合です。判例集では下記2つの判決があります。
貸金業法違反では、懲役刑と罰金刑の併科の求刑が結構あります。 懲役と罰金を併科するときは、通常、執行猶予は懲役刑に対してのみ付けます。