www.sankei.com/life/news/180711/lif1807110018-n1.html
2018.7.11 14:57更新   戦没画学生の絵を守ろう 吉永小百合さん、長野で9月に朗読コンサート


戦争も核兵器もない平和な世界を目指し、原爆詩や福島の復興を願う詩の朗読をライフワークにしている女優の吉永小百合さん(73)が、
戦没画学生の絵の保存を訴えるチャリティー朗読コンサート「『無言館』よ、いつまでも」を、長野県上田市で9月に開く。吉永さんが、このテーマで朗読会を開くのは初めて。

 「無言館」は、第2次大戦で戦死した画学生の遺作や遺品を集め、一堂に展示しているユニークな美術館。作家で館主の窪島誠一郎さん(76)が平成9年に同市に開館。現在は、遺族から託された約700点の絵を収蔵している。

 当初は、年間10万人を超す来館者があったが、戦死者を直接知る遺族や友人などが高齢で亡くなるのに伴い、年々減少し、近年は4万人に満たない。70年以上前に描かれた絵の修復や保存、次代への継承が危ぶまれる状態になっている。

 吉永さんはこうした窮状を知り、120本目の映画出演作「北の桜守」の公開後、自ら積極的に企画を進め、ギタリストの村治佳織さん(40)、フリーアナウンサー宮本隆治さん(67)の賛同を得て、コンサートの実現にこぎつけた。
 コンサートでは、峠三吉の「序」などの原爆詩、福島と沖縄の子供たちの詩に加え、窪島さんが画学生たちへの思いを書いた詩「あなたを知らない」などを吉永さんが朗読。村治さんの演奏や地元の合唱団による無言館をテーマにした曲も披露される。