>>355 より続き

それにしてもこの後語った、久光の「徳川慶喜の人物評」が面白い。「あの男は何を考えていると思うのじゃ。徳川将軍家のこ
とか?朝廷のことか?それともこの日本のことか?そうではない。あの男の考えているのは自分の立場だけじゃ。立場が変われ
ばあの男そのものが変わるのじゃ。信念などないのじゃ。その方達がこれぞと思うて斬り込んでもあの男はそこにはおらん。そ
う言う男のどこを衝けば息の根を止められるのかしかと考えよ!」慶喜にたいして悪意のありまくりな久光だが、この人物評は
一面の真実だと思う。敵から見るとそう見えるんだろうね。

それで西郷は「今すぐに(我が藩だけで)兵を挙げるべきだと思います。我が藩が兵を挙げれば長州や他藩が必ず動きます。水
動かさねば波は立ちません。根回しだけでは波は立たず、濁るばかりだと存じます」久光「貴様余に物申しておるのか?」西郷
「いいえ、一橋の首をはねるのが一番と申し上げているのでございます」イヤ、結局物申しているじゃないかそれというツッコ
ミはおいておいて、久光は「考えてみる価値はある」というような顔をしている。

続きます