第47回「朝敵」より

このドラマちょいちょい出てくる細かい描写だが、杉山寅之介が、幕臣たちが集まっているところで「上様のお出ましにご
ざる」と言うのだけど、だーれも聞いていなくてそれぞれ固まって私語(学校かい!)をしていて、寅之介は声を張り上げ
て「上様のお出ましにござる!」と言って、ようやく幕臣たちはきちんと座って平伏して慶喜を待つのだけど、こういうシ
ーンって幕府が通常状態の時はなかったことなんだよねぇ(寅之介の最初の「上様の〜」の時点で誰もが平伏していたは
ず)。幕府が大政奉還したおかげで、秩序が崩れて将軍慶喜の求心力が低下していることをうまく表現していると思う。

慶喜が大阪に行ってしまったので、朝廷は紛糾。それにしても「一橋を大阪に下してしまったのは、虎を野に放したことに
なりませぬか!!」とキンキン声で騒いでいる正親町三条実愛の森田順平は、金八先生のカンカンもそうだったが、こうい
うキンキン声で騒いでいる役が板についている気がする(調べたらこの人も田向三部作に全部出ている役者さんだったんだ
ね)。

続きます