司馬さんが雲の映像化を拒んだのは軍国主義の再来を恐れたから。

この国は戦後長く戦争のセの字も言おうものなら
「耳の奥に軍靴の響きが聞こえてくる」人達から袋叩きにあった。
だから日本軍が勝つ小説は戦争礼賛ととられかねなかったため、
司馬さんも雲の中で何度も戦争礼賛ではないといいわけしている。

そんな左翼の自虐史観に対抗して右翼が90年代に持ち出してきたのが
雲をはじめとする司馬史観だった。戦争はいけないことだけども、
国の歴史は正しく伝えるべきだというのが右翼の言い分だった。

なのにどうしてか現在では司馬史観って左翼と思われてるらしい。
繰り返し書かれてる戦争反対の箇所がその原因なのかな?
まあ近頃の若いのは右翼と左翼の区別もつかないようだし