殿様が死んで島の者は喜んだよー
うちらは民に入ってないんだー

西郷の絶対的なクレド(斉彬の無謬性と薩摩の正義)を根底から揺さぶり、
これまでの自明性を疑う西郷を誕生させた愛加那が凄い。
これだけでも島編をやる意味があったが、薩摩の過酷な搾取支配、人々の苦しみ、
奄美独特のの風土、文化(入れ墨)、信仰(ユタ)、ロケによる美しい自然描写も見応えがあり、
ルーティン的な幕末ものでは見られない、西郷どんオリジナルな個性を始めて見せてくれた。
ところが、骨太大河がお好きな方々によると、何ら歴史とは無関係の女、子ども向けの内容で、
環境ビデオのようなお気楽回だったので、昨今のライトな視聴者に受けたのそうだ。
中央の有名事件以外は歴史ではなく、まして奄美なんかに歴史はなく、歴史上の偉人西郷にとって
重大な画期となった時空間は「歴史」とはならないらしい。