松ケンは、歴史や人物についての周辺情報を固めつつアプローチする役者ではなく、
テキスト読みだけに徹して人物像と時代の流れを捉えていく直感型。
このアプローチは、歴史情報満載だった清盛の精緻な脚本には不向きにように思われるが、
首尾一貫した物語性、ストーリー性をもつ脚本にフィットしていた。
残念だったなお前ら。
ただ、無頼の高平太から最晩年まで超難役清盛を一人で演じきったとはいえ、信長との親和性は
いかがなものかと思う。虚けにしてもある種の狂気にしても、清盛と信長ではかなり違うだろう。
やはり、怜悧なナイフみたいな信長をやれる役者が欲しいところだ。