「いかにも、申し上げたきこっがございもす。
越前公を大老に任じ、一橋公を将軍職後見人とのご進言。
必ずしも不可能ではなかと存じもんどん、これらの勅定を賜るには、そん手続きがいりもす。
そいごわんで、あらかじめ幕閣にも根回しを図らねば、幕府は様々な理由を申し立てて、これを拒絶致すに間違いございもはん。

京に留まる期間は、どれほどと計算されておられもすか?
天下の情勢を見て、事を引き伸ばす術は、公家も幕閣も同じでごわす。
準備もなく上洛したとて、彼の地に留まる期間は、一年、数年に及ぶと言うても過言ではございもはん。
断然ちゅうは易かどん、京の藩邸には、大群を留め置くほどの広さなんどなかちいうこつ、お手前にはごぞんじでございもすか?

兵糧確保の工作は?
千人の兵が留まれば千人分。三千人の兵が留まれば三千人分の米がいりもす。
しかも滞在の期間が計れんとなっては、京洛の備蓄はたちまち底をつき、物価は高騰し、薩摩には、彼の地の恨みを買いもんそ。
じゃあっで!まず!兵糧の確保を図らんにゃ、戦はなりたちもはん!

たとえ兵糧陣家の手当がついたとあっても、長期大軍を京に留め置けば、幕府は捨ておかんち思いもす。
エゲレス、フランス等に応援を頼み、大阪などに軍艦を送って、我軍の進路を断ち、京を攻撃すっこっでごわんそ。
そんとき!なんの策をもってこれに応ずるか!これらの点を熟慮して、行動を起こさんにゃ、我が薩摩はただの愚か者になるだけでごわす!

右の次第にございもんせば、此度の御参府の件、恐れながら、ご延期なさっとが一番と存じもす!

ほんのこて・・・お側近くにあるもんが、揃いも揃ってこげん浅か天下の認識しか持っちょらんとは!呆れ果ててものも言えもはん!」

翔ぶの西郷どんキレッキレでワロタ