http://blog.livedoor.jp/rekishireal/archives/53917503.html
 あと、どうでもいいことかも知れないが、「決意」や「覚悟」を表現する方法の安っぽさ、
貧弱さにも、ちょっとうんざりした。
 龍馬が初対面の西郷の眼前でピストルをチラつかせたり、西郷が慶喜の前で脇差を抜いて、
畳に突き刺したりといった場面である。たとえ武士とは言え、
ピストルや刀をこのように扱ったりはしない。基本的に抜いた時は、相手を殺す時である。

 僕が熱心に観ていた四十年ほど前の大河や歴史ドラマには、こんな場面はなかったと思う。
たとえば「勝海舟」(昭和49年)や「花神」(昭和52年)にも龍馬は登場したが、
撃つ気もないピストルを他人の前で弄ぶような場面があった記憶は無い。
その頃は戦後三十年しか経っておらず、武器を相手に向けることの重大さを知る人も多かったはずだ。
そのへんの作り手たちの歴史に対する感覚も、やはり「変」なものになりつつあるのかも知れない。