若し西郷先生の主張通りに成って愈々海外に兵を出すと云うことに成れば
文官側としては伊地知さんと私とが文官側で随行することと定められて居た。
「お前は占領した地方地方の事を捌いて行く役に為るのぢや」
と先生は云って居られた、多分民政官見た様なもので有ったろう、
私たちは右の内命を受けてからは、毎日毎日公務の暇暇には満鮮の地図を広げ、
地理の研究に没頭して居たが…(有馬純雄「維新史の片鱗」)