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このままゆくと、「民」のためというお題目付きの薩長同盟、王政復古、戊辰戦争、
征韓論、西南戦争……となりそうだ。
 思い出してみたら、このドラマの西郷は若いころ、郡方(こおりがた)に出仕し、
百姓たちと接触した時から「民が、民が」と言っている。そのために西郷が最初に打った策は、
島津斉彬を薩摩藩主に据えることだった。
 藩主になった斉彬は、集成館という洋式軍事工場を築くが、それが「民」のためだと言っていた。
しかし斉彬が、もっと地に足を着け、薩摩の民の暮らしをどう変えた、あるいは変えようとしたのかは、
ちゃんと描いていなかった(印象に残るのは相撲大会)。そして、間もなく亡くなった。
 
奄美大島に流された時、斉彬の政治が民を苦しめていたと知った西郷が、
衝撃を受ける場面は核心を衝いており面白かった。だからと言ってその反省が、
西郷をどのように変えたのかは描かれていない。
そして、今回は「民」のために討幕を行うと言い始めた。

 奇しくも「明治150年」の今年は、なにかと政治不信が強まっている。
このドラマは「明治維新」は「民」のためだったと、押し付けがましく
歌い上げようとしている感じだが、一体何が目的なのだろうか。