>>418
西郷に「敗れた」つまり正体を掴み損ねたにしては、評価が厳しいよ。
大軍議のあたりから西郷その人の戦略性のなさ、側近の重用などについて辛辣になっている。
司馬はやっぱり昭和陸軍的なものが嫌いだから、その一点では批判せざるを得ないのでしょ。

あとがきにも書いてあるように「虚像」と割り切ったんだよ。
ただし、「西郷自身も気づいていた虚像」として、自身それに自覚的だったという解釈を施している。
まあ、司馬の西郷像は小説家のそれだからあまり議論しても仕方ない。