>>303
伊藤公直話
・木戸公は忍耐の力は大久保公に一歩を譲っておった。その代わり識力の方は大久保公も一歩を譲っておった」
・岩倉、木戸、大久保三公はとにかく度量といい決断といい胆力といい時流に卓絶しておった。我輩の先輩として見る所では彼の三人には一人も及ぶものはない
・大久保さんの威厳は一種天稟であった。兎角人間の威厳は傲岸偏狭をともなうものであるが、大久保さんは全く違っていて、誠に珍しい度量の広大なる方で、
しかも公平無私で、誰でも人を重んずる風がある、非常に広い大きな人物であった
・長州閥の総帥である木戸孝允とは、維新後は政治的に対立することが多かったが、公人としては互いに認め合っていた。木戸は大久保に多くの不快を持ちながらも、
政治家としての大久保については「大久保先生の人物には毫も間然するところこれ無く敬服つかまつり候」と評価し、大久保も参議を辞任した木戸の慰留に何度も努めるなど、
政治的な同僚としての木戸を強く必要とした。