>>417
>>418
かなり美化した言い方だと自分になると思うけど、
林真理子版「西郷どん」だと大久保と西郷はギリギリまで相手の事を信頼していて
大久保は西郷が士族を抑えると思っていたし、
西郷は挙兵直前まで拳を振り上げれば大久保の方から飛んで来る、
そこで腹を割って対面すれば解決すると踏んでた

ぶっちゃけ、西郷は日本的見地に於いて勝ったらまずい立場で、
維新の策謀の先頭にいた西郷はそれを理解していたのかも知れない
挙兵上京に際して西郷が政治的にも軍事的にも本気で勝ちに行くと言う事は、
今の明治政府を否定する事になる。事によっては、
明治帝からの個人的信任によって、西郷が大久保から「玉」を奪い返す事になりかねない

そうなると、やってる事が幕末動乱に逆戻りになるし、
限界の政府財政で挙兵に従った士族にも報いなければならない。
それはやってはならない事だと、西郷自身がよく理解しているのではと。
だから、拳を振り上げながら大久保・政府相手の腹芸によって上手に負ける
そうでなければ、「負けなければならない」のが西郷の立場

同じ問題を徳川慶喜も抱えていて、鳥羽伏見の時点で「武装陳情」であって軍事行動ではない
だからこそ首の皮一枚繋がったとも言えるんだけど、
あの段階で慶喜が軍事的に勝ちに行ったら、旧幕時代に政治的に対立していた
会津桑名と幕府陸軍が一丸となって勝利する、そこに従来の譜代、親藩大名が馳せ参じると言う事だから
戦後処理が収拾つかなくなる。これから中央集権で近代化しなければならない時に、
会津、桑名を初め徳川三百年を支えた親藩、譜代大名にあたら功績を与えなければ薩長には勝てない事になる

結論を言うと、慶喜も西郷も、勝とうとすると言う事は、
「時計の針を巻き戻す」事に他ならなかった