>>771
>襲撃犯が実態を知って激しく後悔

それはおそらく「大久保利通伝」下巻784頁に
「もし島田の徒をしてひとたび利通に接せしめ、利通が多年抱懐せし勤王憂国の精神と
国力休養に関する意見とを覚知せしめば、かえりてその識見に服して、迷夢より醒覚せしあらん
当時玉乃判事が判廷において利通の意見と精神を告ぐるや島田等は深くわが不明を悔悟せしといへり」
と又聞きの形で書いてるのが根拠で、
さらにその根拠は、彼らの取調開始直後の6月に東京日日新聞が載せた玉乃世履の
「島田以外の人間は暗殺の趣意を知らずに殺害に及んだ」という話なんだろうけど、
これはあまりにも荒唐無稽で怪しいんだよね。
この記事が出たのも玉乃判事が報告書をまとめる1カ月も前で、取調がまだ全然終わってない時期。

島田は獄中記を残してるし、同房者とも気軽に話をしてるけど「後悔」した様子は一切ない。
18歳の杉村文一などを助けたがっていた様子があるから「彼は何も知りません」などと言った可能性はあるけど
全部私1人で計画を立てましたとか仲間をかばったのが違う形で新聞記事になっただけじゃないの。

もともと島田らの一党は事前に新聞社に斬奸状を回した上、大久保邸にも暗殺予告をわざわざ送り付け、
事後にも宮内省に出頭するなど行動が徹底されていて、「暗殺の趣意を知らなかった」なんてあり得ない。
また「物の道理がわかっていたら大久保の暗殺に反対したか」と言えば、そんなことはないだろうね。

このドラマは島田らの描き方もちょっとおかしかったけど。