>>827
大久保は10月15日の閣議のあと提出した「征韓論に関する意見書」に明らかなように、
「恥ありといへとも忍び、義ありといへとも取らず」と、大義名分如何に関わらず自重する点で
西郷の名分を得ての出兵論を根本から批判している。

建白の内容も一揆の頻発、財政赤字・外国債、文部・司法・陸海軍整備等の必要、貿易(入超と金貨流出)を挙げ、
財政的見地から朝鮮占領の不可を論じるという内治の見地が反映されており、
他の反対論のように大使派遣を前提として、樺太を先にすべきだとか、抱き合わせて処理すべきだとか
といった建前論と一線を画して征韓そのものの不可を論じている。