>>190
すみません。

引用されている『知的財産用語辞典』の「不正競争の目的で使っていたのであれば、先使用権は認められない」というのは、商標権についての話(商標法32条)あり、この場合は該当しません。

問題になるのは「特許発明についての先使用権」です。
これについては、現行の特許法79条に規定がありますが、現行法は昭和35年の施行なので、そのまま適用していいのか判りません。(旧意匠法9条に同様の規定があったようです)
しかしそれでは話が進まないので、便宜的に特許法79条に依って説明します。

このドラマの場合に問題となる先使用権の要件について特許法79条を抜き書きしますと、
(a)特許出願に係る発明を知らないで自らその発明をした
(b)特許出願の際、現にその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者
  ということになります。

(b)について、萬平たちが「まんぷくラーメンの方が発売が早かった」と主張しても、猿渡のことですから「ウチも準備はしてて発売の直前でしたんや」と反論してくるかもしれません。
もちろんそんな反論は裁判で潰せるとは思いますが、手間がかかります。
そこで(a)の要件を潰すため、坂部の証言が必要となり、岡・森本がかなり手荒い方法で実行に移します。
坂部の証言を突きつけられたから、さすがの猿渡も「参りました」となったという流れだと思います。