>>242
>>前作『半分、青い。』では、ヒロイン鈴愛が漫画の原稿にコーヒーをこぼしてしまい、ダメにしてしまったかと慌てふためく場面がありました。
>>しかし、アシスタントのリカバリでどうにでもなるとキッチリ描写されていたものです。

これ、印刷の観点からしたらどうにでもなるどころかとっても厄介な原稿なんだよな<コーヒーをこぼした原稿
半青の当時の印刷技術だと今のようなデジタル製版ではなくフィルム製版なので漫画原稿をフィルムに焼かなきゃいけないんだが
コーヒーのシミのような汚れは影としてフィルムに出る可能性が高いため
印刷屋はかなり苦労してそれが出ないように技術を駆使しなきゃならなくなるし
もしコーヒーをこぼした箇所にスクリーントーン(アミ点や模様が印刷されたワックス付きの薄いフィルム)を貼る指定があったとしたら
アシスタントがホワイトでコーヒーシミを消してからトーンを貼る方法があるけど相当上手くやらないと
その箇所がホワイトの分だけ厚みが出るためフィルムに影として出る確率が上がる
コーヒーで汚れた箇所だけ切り抜きそこの形に合わせて新しい原稿用紙を嵌め込み裏からセロテープで補強して白場を作って
あらためてその箇所に絵を入れるのがたぶん一番綺麗に修正できるけど人物を先生に描き直してもらわなきゃいけないかもしれないリカバリ

ということで、今はデジタルでできるからやり直しや修正がしやすくなったけどアナログは基本一発勝負だから
プロである以上は漫画原稿を必要以上に汚すなんてことは本来やっちゃイカンのです
昔プロアシやったときに先生から絶対原稿汚しちゃ駄目って言われましたわ私