>本作って、あまりにこういう造形が多いんです。
>「本当は創造性がない人間が考えた、クリエイター」
>「本当は勉強が嫌いな人間が考えた、名門大学卒業生」
>「本当は天才児でなかった人間が考えた、天才児」
>だから言動に中身がない。
> 細かいディテールがない。
>ウソくさい。
>前作『半分、青い。』の人物造形や描写との落差があまりに激しくて息切れしそうなほどです。
>あの作品では、鈴愛やユーコが創造性の限界にぶつかる奮闘と、そのあとの挫折が描かれました。
>才知があるのに、会社の資金が尽きてしまう律も。
>セクハラなんかしなくても、創造性がこんこんと湧いてきた、独身の秋風先生もおりましたね。
>だからこそ、リアリティがあったと言えます。
>だからこそ、強烈なアンチも生み出したのでしょう。
>【創造性は尽きぬ泉だと信じたい人】には、あまりに残酷だった。
>努力しなくても、ちやほやセレブになりたい。
> 世渡りのうまさだけで生きてきた。
>そういう人から見れば、苛立つものでもあったのでしょう。
>そういう反発が、強烈なアンチになった。
>そこまでわかってきました。
>その一部が、本作信徒になった理由もわかります。
>やさしいもんね。
> 努力もしない、想像力も創造力もない、そんな人間。そんな彼らが外戚や宦官として世渡りのうまさだけでセレブになれる。
>そりゃぬくぬくでしょう。
>そこで留まれば良いものを、どうして攻撃的にまでなったのか。
>おそらくや【本質】が問われる時代になってきた反動でしょう。
続きます