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>剣心とは、元人斬りでありながら明治を生きていられるだけで、かなり幸運な人物です。
>ただし決定的に欠如しているものがあります。思想です。
>幕末という時代へ向かう中、日本に生きる人々は国家や政治への渇望を味わうこととなりました。

>渡辺華山らの投獄。水戸から沸騰した国学。尊王攘夷。ナポレオンへの憧れ。
>そうした思想は、明治以降も続きます。

>攘夷思想を捨てきれない人は、外国を見習う政府の方針に怒り。
>戊辰戦争で苦労した東北地方の人々は、政府のやり方や県令に怒る。
>剣心が生きている時代は、不兵士族、自由民権運動、ありとあらゆる思想が沸騰していました。
>日本史上でも極めて政治的な熱気が高まっている状態です。

>それが前述の通り、「政治的思想を抜きたいから、幕末から明治で」
>と編集部の方針で誘導した結果、おかしな点がいろいろと出てしまったのです。

>少年漫画フォーマットとして読み解けばすんなりと納得できたのに、なまじ近現代史知識がつくと、どうに
>も引っかかる点が増えてしまう。そういう宿命がある作品。

>だからこそ、和月先生も再筆というリファインを繰り返し、メディア化でも変更されるのでしょう。

続きます