>>200
またもや毎度連投さんと見解が相違することを恐れるのですが、リンク先の記事にある札幌高裁の判決文がネットに掲載された時、かなりファイターズに厳しい判断だなと思いました。
改めて判決文を読み返してみたのですが、当初の印象のままです。
ファイターズは試合中に
(1) 警告アナウンスを流していた。
(2) 大型ビジョンでも注意喚起の表示をしていた。
(3) ボールが客席方向に飛ぶと警笛を鳴らしていた。
またリンク記事にもありますように、小学生を優先する企画だったようなのですが、
(4) 企画の案内の際にも注意喚起していた。
 ということのようです。

一方でリンク記事にあるように
(5) 野球観戦に不慣れな子供・保護者のために安全な座席を指定していなかった。
 ということがファイターズの責任として重視された判決のようです。なお、被害女性は野球観戦は初めてだったとのことです。

しかし、野球場の観客席を完璧に安全なものにするためにはフェンスを張り巡らせるくらいしか方法がないのに、平成18年まで存在していた約5mのフェンスの撤去は問題視しておらず、
その結果、第一審では賠償責任が認められていた野球場の設置・管理責任者たる札幌市及び札幌ドームへの損害賠償請求は棄却され、ファイターズだけの責任になってしまった、という判決です。

加えて被害女性側にも
(a) 打者が打った瞬間にはグラウンドを見ていたが、その後は打球から視線を外して子供(二男)の方を見ていた。
(b) 座っていた座席を選んだのは被害女性の夫だった。
(c) その夫は事故の際、長男とともに席を外していた。
 という過失を認めつつも、過失割合を8:2と認定しています。

繰り返しになりますが札幌市と札幌ドームに責任が認められなくなったため、ファイターズが損害額の8割(3300万円超)の賠償責任を負うことになったということです。
(札幌市などの責任が認められていたら、三者で賠償額を適当に案分することになったはずです)

この裁判例がどれほどの先例性を有するのかは分かりませんが、これなら読書中にボールが直撃しても、怪我の程度によっては相当の賠償を受けられそうです。
結論部分は毎度連投さんと少し違いますが、あくまでも札幌高裁の判決に基づく話であって、私はこの判決には批判的であることを申し添えます。