>>330 より続き

これを日本の場合で強引に例えると、武者氏(と「武将ジャパン」)が推している「ゴールデンカムイ」のアシ
リパをアイヌの女優にやらせず日本人女優にさせると、数少ないアイヌの役を奪ってしまうので問題になるみた
いな感じ。そして本来なら日本人の役をアイヌにさせるのは「アイヌ(という少数民族)の機会を増やすから推
奨される」という感じだろうか(日本人役は日本にいればいくらでもあるからね)。

ただ日本でこういう問題が起こりにくいのは、アイヌだとはっきり表明している俳優が少ないこと(一応調べて
みたが、アシリパをできそうな年ごろで、アイヌだと表明している女優はいなかった)、アイヌに限らず少数民
族だと表明したうえで俳優をしている人が限りなく少なそうだからだろう。

私は『ゴースト・イン・ザ・シェル』も「草薙素子」も全然知らないのだが、スカーレット・ヨハンソンが草薙
素子を演じたら駄目というのは、「人種がはっきりしないが日本名のついている草薙素子は、機会を与えられる
ことが少ないアジア系が演じるべきで、スカーレット・ヨハンソンのように有名な白人女優が(彼女なら他にや
れる役がいくらでもあるはずだから)やるのは好ましくない」という事なのだと思う。

こういうことを書くと、「それはマイノリティの優遇で、マジョリティに対する逆差別では?」と言う人がいる
と思う。以前も貼ったサイトだが、

女性の名前で仕事のメールを送ってみたら......見えない差別に気づいたある男性の話 男性ショック。女性は「よくあることです」
https://www.huffingtonpost.jp/2017/03/14/man-signed-work-emails-using-a-female-name_n_15352470.html

これは顔を出さずにメールだけで仕事をしている仕事が早い男性と遅い女性が、名前を交換して仕事をしたら、
男性の仕事が遅くなり女性の仕事が早くなったという記事だが、つまりこれは彼らの実力に差があったのではな
く、「男の名前」というだけで信用して、「女の名前」で仕事をすると信用しない、という「無意識のバイア
ス」が客にあったからということだった。

これは「男と女」だが、白人と黒人(有色人種)にもこういうことがあると考えられるので、「機会の平等」
だけでは駄目で、元々白人(と言うマジョリティ)は上の男性の仕事の様に有利な立場にあるので、そこまで
考えないと(白人より有色人種に機会を与えるようにしていかないと)本来の平等はなかなか達成されないと
いう事だろう。

で、元に戻るがこの小檜山氏の記事は、「白人が有色人種の役をやるのは駄目だが、有色人種が白人の役をや
るのはいい」という理由が書いていない。コメントだってそこに疑問だというのが来ているのだから、記事を
書き直すか新しい記事を書けばいいのに、そういう事はしないのが武将ジャパンクオリティである。