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>三好一派は、傀儡として足利義栄を立てるべく動いています。
>事態は誰もが予想しない方向に動いているし、無計画さも見えます。
>そのために、義輝の弟・覚慶を興福寺一乗院に幽閉したのでした。
>歴史を見るときの基本的な注意点として、後世の人間は結果ありき、神の目を持ってしまうことがある。
>「こんなに賢い人だから、きっとわかっていてやったんだろうな」
>そうバイアスをつけてしまいますが、目の前で起こっていることですから先のことなどわかるはずもない。当時の人も
>無茶苦茶に焦りつつ動いていたと思う方が、後世の我々としても理解できやすいことがあると思います。
>コントロールできていない状況での事件だから、覚慶幽閉も困ったことにはなっている。

>残酷な話ですが「あの時、覚慶を殺しておけばよかった」という嘆きは、いろいろな所から出てくるのです。
>ともあれ、キングメーカーとしては駒を抑えなければならない。松永久秀は、お悔やみを言うと称し、一乗院へ面会に
>向かいます。

>これも、汚い話といえばそうですけど、戦国大名、特に東北では、冠婚葬祭にかこつけて暗殺しまくる。
>フランスでも、結婚式大虐殺が起きていましたね。

>それに現代社会でもありえること。ヤクザ映画で葬式がやたらと出てくるのは、死人が多いだけでもなくて、パワーゲ
>ームの場になるからなんですね。
>久秀は義輝を弔いつつ、覚慶の品定めをしています。

>兄上のことは痛恨の極みと切り出し、心中を察すると言いつつ、本音を切り出します。
>「こちらの御門跡様は、将軍におなりあそばすお気持ちは、ありますでしょうか」
>筋から申せば、覚慶が一番ふさわしいと迫る久秀ですが、もうこの時点でキングメーカーのふてぶてしさを
>見せています。

>盤石の君主制度とは、暗君が立とうが揺るがないもの。玉座に人形を置いても国が回るのが理想です。
>その形態が立憲君主制ですが、徳川幕府も統治能力のない将軍がいました。
>本作は将軍の器を周囲が考えている時点で、いろいろと不安定です。

続きます