>>181
斎藤軍が尾張方面に進駐した場合、犬山城が簡単に孤立してしまうので。
そんなものは進駐される前に迎撃すればいいと思うかもしれない。
だが進軍速度に至っては斎藤家の方が圧倒的に速いのだ。
織田信長の軍勢は現時点では、清州城に集めてから出発しなければならない。
足軽長屋が清州城下にあるからだ。
それに対し斎藤家は豪族単位で動くため、本拠の稲葉山城に集まらずとも豪族の領地から突然進軍を開始する。
事前に合流地点を決めて現地集合するスタイルだ。

だから織田家は斎藤家によく負ける。

ただ斎藤家のやり方にも問題はある。
個別に動くため各個撃破の危険があるし、色々な理由で予定された兵数が来ない場合もある。
豪族自体が仮病を使うこともある。
そして兵糧がちゃんと集まるかが最大の問題だろう。

その点で言えば織田家は兵数も兵糧も揃えてから出発する、ただ時間が掛かる。
だからこそ軍事拠点としての城が必要なのだ。
足軽長屋を集中管理して即応部隊を出せるようにしたいからだ。
小牧山は、犬山と清州を結ぶ街道を守る最高の場所でもあり、東にある根本城の牽制にも最適。
根本城とは犬山の東・多治見にある城で城主は斎藤方の若尾甚正である。多治見は地理的に木曽川の南岸にあるため渡河無しで尾張への侵攻が可能である。
「それなら犬山城でいいじゃないか」
犬山城は国境に近すぎて情報の秘匿が難しい。
それに犬山城ではそもそも街道は守れない。
そして街道を塞がれるだけで行軍出来なくなる。
もう一つ、木曽三川側の国境が遠すぎる。

小牧山は清州と犬山の丁度中間にある未開発地で、街道を守り国境線を守るにも絶妙な位置取りをしている
更に此処から一宮方面にも街道が走っており、木曽三川側の国境に行くのにも便利な場所。

美濃攻略の為にわざわざ築くことに意味がある