>>540 より続き

それで「麒麟がくる」に戻るが、「摂津のような分かりやすい悪」みたいなものに、今までの光秀ってそんなに怒っていたっ
け?と思った(駒にしろ光秀にしろ本作こういうのばかりのような)。摂津のやっていることって土地の横領とか賄賂とかそん
なことだろうが、そして今までの光秀の周囲にこういうタイプは出てこなかったような気はするが、それってあの戦国時代に置
いてそんなに悪いことなのか?と思ってしまう。

だって光秀の最初の主君斎藤道三は、二代かけて成り上がったのだからかなり無理をしたこともあるだろう。そういう事はほぼ
気にしていなかったような気がするが、ここでいきなり横領とか賄賂とかに腹を立てるのが非常に唐突に見える。道三は死ぬ前
に「大きな国を作れ」とか言ってかっこよく死んだから美化されるのは分かるが、そこに至るまでの道三ってケチだし、暗殺は
するし(土岐頼純の暗殺は彼が敵に内通していたのだから仕方がないにしても)、土岐頼芸を追い払おうとして彼の鷹を皆殺し
にするし(追い払うにしても他にやりようはなかったのか?というのもあるが、横領とか賄賂とかに腹を立てるほど潔癖ならば、
こっちだってもう少し道三に怒りを見せてもいい気がする)、まぁこれらは相手もそれなりに酷いことをしているからまだいい
としても、高政の弟殺しにだって光秀は大して怒っていなかったような(弟たちも帰蝶に連絡したりして、高政に反抗の姿勢は
見せていたから仕方がないというのはあるが、絶対に殺さないと高政の身が危険という風には見えなかった。これにも光秀はも
う少し怒っていい気がする)。

こういうことにはそれほど怒らないのに、急に横領だの賄賂だのにキーキー怒っているのを見ると、いつものことながら「何な
のコイツ?」としか思えない。