小檜山noteの新着記事です。私が目についたところを少し報告します。

◎「司馬遼太郎おじさんをバカにしていた君たちへ」@2021/07/04( https://archive.is/4WGTp )(1スキ)
 ※(itou_tosiyuki・itawasa3)

 【こういう文脈では司馬遼太郎読者全員がバカにされているわけじゃない。講演会で研究者に「それは司馬遼太郎とはちがいますよね」と質問するおじさんがバカにされているだけ・・(中略)・・
  メッケルの関ヶ原を筆頭に、司馬遼太郎のガセネタは研究されています。けれども、それが戦国で止まって、幕末明治以降は検証不十分ではないかとしみじみ思うのです。】
 → 連続tweetではなく独立したnote記事なのに、「こういう文脈」というのがどういう文脈なのか、説明がない。
  なお、司馬遼太郎『坂の上の雲』への批判は既に存在している。「検証不十分」という曖昧な表現(どこまでいけば「十分」なのか)のみで済まそうとするのは、それこそnote記事では「説明不十分」であろう。

 【日露戦争本をざざっと読んでいくと、海外のものは勝因として外交をあげます。そこにはイギリスとアメリカの思惑がある。】
 → まず日露戦争が日本側の大勝利でなかったことは司馬遼太郎でさえ言及していること。日本軍はロシア領内(樺太を除く)はおろか哈爾浜への進撃も叶わなかった。局所的優勢を確保して何とか講和に持ち込んだが賠償金は取れなかったことはよく知られている。
  逆に金子堅太郎・高橋是清などの外交的・財政的努力に一切触れていない「日露戦争論」があれば、お目にかかりたいものだが、ついでに小檜山氏のいう「海外のもの」を読んでみたいとも思う(例によって具体的な提示がないので分からない)。
  小檜山氏は「2021年大河ドラマ『青天を衝け』青天どころか曇天、いや嵐か」@2021/02/06( ht○tps:// rchive.vn/JquTJ)で【日本で日露戦争の勝因論争となると、まず秋山兄弟の名前があがります。けれども、海外では違う。】と述べているが、
 「秋山兄弟が大活躍した」と思っている人はいても「勝因」だと思っている者はまずいないだろう。小檜山氏には『坂の上の雲』同作品を秋山兄弟の英雄譚、日本スゴイ論として把握する固定観念が強すぎるように思える。

 【そこにはイギリスとアメリカの思惑がある。年老いたロシア帝国を颯爽と倒す日本を喧伝し、資金援助してきた。アドミラルトーゴーなんて、プロパガンダ由来の褒め称えぶりではある。】
 → イギリスの思惑は分からなくもないが、一応日本の同盟国であった。アメリカも専制主義やユダヤ人差別の問題からやや日本側の肩を持ったが、戦後処理も含めればそれほど日本贔屓だった訳ではない。
  東郷については、小檜山氏のお好きな英国史のトラファルガー海戦以上のスコアを挙げたのだから、この時点では賞賛されても当然。トルコかフィンランドには「トーゴー」というビールがあったと思うのだが。
  裏事情が全くなかったとまでは言い切れないが、何をもって「プロパガンダ由来」というのだろう。これらについても具体的な提示がないのでよく分からない。

〔続きます〕