光秀の句の響きは座を戸惑わせたかもしれない。すでに光秀の2句前(打越)を詠んでいる宗匠紹巴からの目配せを受けてのことだったかも、里村昌叱は紹巴の信の厚い弟子だったはず。ところが誘い出されたのは次の句(97/100)である。紹巴もダメ出しをしていない

>いさむればいさむるままの馬の上  昌叱

ここで自害なさらず戦場を離れてからと諌められ馬上の人となる、という句だそうな。光秀にとっては不気味な予言となった