ウィントンは、2度目の妻グレタが1988年、屋根裏部屋で、詳細な書類をおさめたスクラップブックを発見するにいたるまで、その人道的な業績の数々を証明する子どもたちの写真に名前や情報を書きつけた資料をトランクに入れっぱなしにしていたのである。

ウィントンは、これを昔の過ぎたことだからと処分を考えたが、夫人が、子どもたちの里親の住所まで記されたその史料を子どもたちの命にも等しいものだからと押しとどめ、それがイギリスの大衆紙「サンデーミラー」社主夫人の手に渡り、同夫人がチェコ系のユダヤ人で、ホロコーストの研究者でもあったことから、当時の子どもたちとの再会へと繋がることになった。

ウィントンは、1998年にチェコ大統領からトマーシュ・マサリク勲章を授与される。サー・ニコラスは、2002年12月31日に発表された新年の叙勲リストで、ナイトに叙された。