「この頃、鹿児島県全体は独立国家の様相を呈していました。さらに国内最大級の火薬工場が国分(こくぶ)にあったことから、西郷には軍事力があると思われていたのです」。 

 こうした状況を木戸孝允にまで非難された大久保利通は、西郷との訣別を決意。
川路利良(かわじとしよし)に対し、鹿児島に密偵を送り込むように指示をした。
その際、私学校が「ボウズ(西郷)ヲ、シサツセヨ」という電報を入手する。
これは「視察」と「刺殺」というふたつの解釈ができる電文だ。
しかも捕らえられた密偵は、これは西郷暗殺計画だと告白する。
これに激昂した私学校生徒らは、明治政府が差し押さえようとしていた大量の武器弾薬を奪ってしまう。