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これは出羽の羽黒山より出でたる山伏
このたび、大嶺かづらきをいたし、ただいまが下向道にござる
まずはそろりそろりと参ろう
まことに山伏というものは野に伏し山に伏し
あるいは山木を枕とし
難行苦行捨身の行いをするによって
今、目の前を飛ぶ鳥も祈り落とすほどの行力じゃ
いや、今朝どきのままなればいこう喉が渇く
や、あれに見事な柿がなっておる
あれを取って食おう