いいことなのか、それとも、悪いことなのか、わからない。
でも、多くの人間がそうであるように、おれもまた、自分の生まれた国で育った。
そして、ごく普通の中流家庭に、生まれつくことができた。
だから、貴族の不幸も、貧乏人の苦労も知らない。別に、知りたいとも、思わない。