視点・論点「新型コロナウイルス 選択可能な未来へ向けて」

 このパンデミックはいつ終わるのでしょう? 
結論から言えば、人口の6割〜7割の方が感染し集団免疫を獲得する、
そうでなければ、最終的な意味での終息には至らないと思います。

 ウイルスを撲滅できる局面は超えてしまいました。
しかし、流行のスピードを遅らせることはできます。それは極めて重要なことです。

 一つは、医療崩壊を防ぎ、ワクチン開発までの時間を稼ぐ。
短期間で、大量の患者が発生すると医療資源が一気に不足しそれさえできなくなってしまのです。

 もう一つは、ウイルスの弱毒化です。流行の速度が速いというのは、それだけ強毒のウイルスが
選択される可能性を高めます。しかし、流行の速度が遅いとウイルスは宿主を大切にしないと生き残れない。
それが弱毒化への負の淘汰圧になります。

 強毒化ということでは100年前に世界で多数の死者を出したスペイン風邪の場合、第1波より第2波の
致死率が高かった。スペイン風邪は流行初期に第一次世界大戦が勃発し、兵士や物資が欧州だけでなく
植民地から動員され前線では密集が起きました。そうした戦時体制が第1波の流行速度を早め、それが
強毒ウイルスの選択圧として働き、第2波の致死率を高めたのです。

 その意味でも流行の速度を遅くすることは重要なのです。その為に、今、私たちは外出を控え・・・

https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2020050629115