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小林拓矢 |
フリーライター

東日本大震災による鉄道への被害は、大きかった。
時間をかけて復旧した路線、BRTになった路線など、震災が運命を変えた路線も多くあった。
復旧した三陸鉄道も、台風19号でまた被災した。
BRTになった気仙沼線・大船渡線は、「鉄道」として扱われなくなる。
この東日本大震災を機に、地方の鉄道は必要なのかという議論が、ふたたび行われるようになった。
鉄道という、全国ネットワークで結ばれているからこそ、そこで暮らそう、働こうという考えになる人もいる。
震災にくわえ、福島第一原発事故の影響により、長期間に渡って一部区間で運転できなかった常磐線の全線復旧はやっと今年の3月14日になしとげられる。
それも、まだ一定の放射線量があるはずのところを、除染し帰還困難区域を解除してなんとか復旧したというのが実情だ。
鉄道をもとに戻して――戻らなかったところもある――、もとの暮らしに帰るには、まだ時間がかかる。