「しばらく会えないってどうせまた近いうちに来るんだろ!」
「ほんとよね!全然久しぶりに感じないわ!」

だいすけの姿が見えなくなって緊張が溶けたのか、つい本音が出た言葉が同じであることに驚いた二人は思わず顔を見合わせる。
そして思わず吹き出してしまい自然と笑い声が溢れてきた。

「あー!私たちなんで歪みあってたんだろ?今考えたらバカバカしい」
「もういい大人なのに酒とタバコでガタガタ言ってたのがおかしいんだよな」

それから笑いが治ると互いに向き直ってどちらかともなく片手を差し出した。

「歌う炒めもやしなんて言ってごめん」
「歌う具なしおにぎりなんて言ってごめん」

しっかり手を握り合ってグーパンチをした二人はニヤッと笑った。たくさん笑った。

そして、ドアの隙間から一部始終をこっそり覗いていた誠と杏月も、声高々と笑い合ってる二人の姿を見て嬉しそうに微笑むのであった。