西田敏行の西郷隆盛、時期ごとに変化していく演技力に目を見張る。
島津斉彬が加山雄三。島津久光が高橋英樹。
加山雄三のイメージと演じられている役とのギャップがありすぎるのかな。
どうも、高橋英樹の方が、歳上に見える。
加山雄三の斉彬が、それらしくなっていくのがいい。
また、久光が「地五郎」(田舎者)と言われるのがいいなぁ。
斉彬は、東京で育った。久光は、鹿児島育ち。
その違いが、歴史の変化の中で、微妙に関わってくる。
西郷隆盛は、斉彬しか主君として、認めなかった。

島津藩の中に存在するお家騒動。おゆらの子供を世継ぎにしたい。
そのために、おゆらは、斉彬を、ひきづり下ろそうとする。
そのような、おゆらのやり方に、同意できない西郷たち。
おゆらが、草笛光子。存在感がある。

西郷隆盛が 西田敏之。大久保利通が 鹿賀丈史。
この二人を主役にしたのは、素晴らしい。
西郷隆盛のおかれた立ち場。
そして、それに嫉妬しながらついていく、利通。

西郷隆盛は『正は邪に勝つ』という。
斉彬は、琉球貿易で儲けているという告発で
父親/斉興を隠居させようとする。大きなバクチである。
父親は、財務担当者に詰め腹を切らせた島津斉彬に追従する
多くの部下達に 切腹を命じる。
そうであるが故に、斉彬は、斉興の隠居をすすめることとして
ついには、藩主になるのである。これを喜ぶ、隆盛と利道。
島津藩のもつ、歴史的な存在。日本の辺境であることでの苦悩。

斉彬のもつ 長期的な視野。日本を世界の中で見ようとする。
積極的に、西郷隆盛をもり立てていく。
西郷をお庭番とする。この配置はおもしろいなぁ。
気軽に話をすることができる。
斉彬は、西郷隆盛に 想いを伝えるのである。
それにしても、西田敏行。
青年の頃、島流しにあった時、2度目の島流し。
復活して、西郷隆盛になった時。徐々に変化して重みを増していく。
演技が達者なのには驚いた。
大久保利通については、今までは 狡猾な奴と思っていたが、
きちんとした 実務家だったことが理解できた。
小松帯刀の影が薄いのは、残念だが。そんなに主役はいらない。

篤姫を 送り込み 将軍家定のヨメにする。
それは、将軍の一橋に譲らせるためにあった。
その当時は、一橋しかなかったのだろうね。
徐々に、変化していく 一橋。ちょっと、しゃべりすぎの感がある。

生麦事件、薩英戦争。その時代の流れがよくわかる。
西郷と坂本龍馬、西郷と勝海舟。
その出会いが、時代を大きく変えていく。
西郷を カネに例えて、ばかで どれくらいの大きさの鐘かわからないと言う。
坂本龍馬は、異質な人間であり、
勝海舟は、幕臣でありながら、幕府を思いっきり批判する。