翔ぶが如く

これは今現代、日本が知的な沈没を遂げようとしている今こそ沢山の人に見てほしいドラマだ。
今のテレビドラマのひどいレベルを見ていると、テレビがくだらない媒体として見捨てられてしまうのではないかと不安になる。
テレビはかつて素晴らしいドラマやドキュメンタリーあるいはバラエティを与えてくれた優れた媒体であったのに今やバカにされる存在になり下がってしまっている。

優れたドラマはほかにもたくさんあるが、このドラマは今の日本が忘れ去り、安易に扱おうとしているものがどれほど大切なものであるかを痛感させてくれるのだ。

西田の西郷も鹿賀の演ずる大久保も、人間として時代を駆け抜けてゆく。
その魂がほとばしり、昇華してゆく見事さが画面からあふれんばかりだ。
俳優も演出も映像も、秀逸で物語にぐいぐい引き込まれてゆく。ものすごく面白い。

今の大河ドラマとは違う。昔のほうがよかったというようなセリフは使いたくないが、レベルがちがうのは誰が見てもわかるだろう。

こういうのが、ドラマだ。何も時代劇や歴史ドラマだから迫力があるのではない。そこに「ドラマ」があるやなしかだ。

NHKはBSでこのドラマを一年間放映したらどうだろうか?
放映できない人物が出演しているから難しいかもしれないが、これは見てもらわねばならないドラマだ。