大河ドラマ最後の傑作「翔ぶが如く」
大河ドラマ史上司馬文学を原作に戴いた作品としては国盗り物語、花神と並んで1、2を競う秀逸な作品である。
原作では弱小日本が維新以後、新生近代国家を目指す中で維新の立役者西郷隆盛と大久保利通の征韓問題での対立を軸に日本最後の内戦、
西南戦争へと導いてしまった根幹は何なのか?を司馬史観で推察していく小説である。
このドラマ化は前半部分を幕末から維新まで描き、後半を前述した維新から西南戦争までと云う構成になっていて私観的には小説よりこのドラマの方が感情移入出来て感動した。
維新の盟友西郷と大久保の若き日の友情を書き維新を成し遂げて以後国家創造の狭間で対立する事を余儀なくされた過程が丹念に描かれているからだ。
西田敏行と鹿賀丈史の西郷と大久保は絶品だ。
近年のおちゃらけムードの大河ドラマにはない骨太の作品である。