「翔ぶが如く」両雄の孤独

第一部冒頭の、桜島を望む浜を走る吉之助と正助の若さと笑顔があったればこそ、この第二部の西郷と大久保の苦悩をひしひしと感じることができる。
両者が抱え、両者にしか判らない、それぞれを取り巻く無理解と孤独。
遣韓問題を巡る両雄の対立は鳥肌が立つ緊迫感。それだけにそれぞれの寂しさが沁みてくる。
そして岩倉具視、川路利良、村田新八、江藤新平、伊藤博文といった脇役達からも目が離せない。第一部に比して出番が減ったとはいえ島津久光も圧倒的な存在感。

西郷・大久保という二つの巨星と明治初期という時代を描いた大河ドラマ屈指の傑作である。