翔ぶが如く
二人の革命家の最後は・・・

 莫逆の友として明治維新を成し遂げた西郷と大久保。
 その二人がそれぞれに抱く新国家像の在り方の違いが次第に表面化していき,征韓論で一気に対立していく。
 西田敏行が悲壮感あふれる巨大な西郷を,鹿賀丈史が理論家肌の官僚政治家・大久保を,それぞれ見事に演じ切っており,これ以上のハマリ役はない。
 維新の様々な矛盾を一身に背負って散っていく西郷と,後事を託されたにもかかわらず兇徒の刃に倒れてしまう大久保の最後は涙なしには見られず,二人がその人生の最後に思ったのは何であったのだろうと考えていくと興味は尽きない。