「翔ぶが如く」
素晴らしい作品です。司馬遼太郎先生の原作で「翔ぶが如く」の他、「竜馬がゆく」「最後の将軍」をおりまぜて描かれます。
方言も多用され薩摩隼人の気概も感じることができます。
この作品は西郷隆盛を主人公とするだけでなく大久保利通との友情物語として描かれており、特に征韓論での二人の対決は、今の国会が二分して外交問題を話し合うことを想定すれば、セリフの一言一言に凄味があります。
また、西南戦争に至る過程が痛々しく涙なくして見られない。
西田敏行の演技もさることながら鹿賀丈史の演技が素晴らしい。
原作では途中までしか描かれてなかった芦名千絵という人物でしたが、本作で感動のラストへと至る重要人物として描かれ見事です。
西郷隆盛は政治家であり軍人であるが、敬天愛人に辿り着いた哲学者・思想家という言葉がふさわしいでしょう。
士族とともに逝った西郷は真の意味で明治維新を成し遂げたといえるでしょう。
まったく大きな謎の多い人物ですが、それだけにとんでもない魅力を感じてしまいます。
鹿児島に行ったときは、南洲神社に並ぶ西郷を囲むように祀られているラストサムライ薩摩隼人たちに手を合せました。
こうして日本が近代国家の道を歩んできたのかと思い、作品をご覧ください。