「いやっ!やめてブラームス!私には、夫が!」
 お忍びで来日した帰途チェリビダッケと鉢合わせしたクライバーのようにおびえるクララを押し倒すと、ブラームスは
ラトルの髪のように豊かな彼女の茂みに手を伸ばす。そしてその奥が、汗で光るスヴェトラーノフの額のように濡れて
いるのを確かめると、彼はそこに己の先端をあてがい、アシュケナージが自分の手の甲に指揮棒を突き刺した時のよう
にぶすりと一気に貫いた。
 悲鳴を上げまいと必死に耐えるクララの口からは、小林研一郎のような呻き声しか漏れなかった。しかし禁断の甘い
衝撃に、彼女の背は指揮台の上のバーンスタインのように飛び跳ね、そのたびに彼女の胸がサンティの頬肉のように
ぷるぷると弾む。彼女はそのまま、ラン・ランのように首を仰け反らせて絶頂に達した。